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「あなたがどの大学を出ても収入には関係がない」林先生と中室牧子が独自の教育論を語る【林先生が驚く初耳学】

 2016年10月9日に放送された「林先生が驚く初耳学」にて

 林修先生と「学力の経済学」の著者 中室牧子さんが「あなたがどの大学を出ても収入には関係がない」「浪人制度を廃止した方がよい」という独自の教育論を語っていました

 


前回の放送で林先生が最も人に勧める教育本の著者 中室牧子さんが登場しました

3万6000人ものデータで算出した学力アップのベストな方法

「ご褒美を与える方が学力が高くなる」「本を1冊読んだら200円」のようなご褒美が最も効果的など次々とデータから結論づける前回の授業が大反響!

彼女の著書「学力の経済学」は4万部増刷で累計27万部の大ヒットとなっています

 

 

 

 

今回は東大、早稲田、慶應の女子を迎え日本の受験システムを覆すような驚きのデータを紹介していました

 

「あなたがどの大学を出ても収入には関係がない」という中室牧子さん

そして「浪人制度は廃止した方がよい」という林先生

2人が熱くきれいごとゼロで教育を語り合いました

 

 

 

「あなたがどの大学を出ても収入には関係ない」の理由

 



林先生「僕も一応人に教える仕事を長くやってまいりました。で、いろいろな教育理論というか教育評論家のような方がいらっしゃる中であまり納得できるものがない

ただやっぱりそういう本は仕事柄たくさん買います。ただ読んでもどうなのかな?と思うものが多かった中でこれ(中室さんの本)は本当に正しい事が書かれている

僕もこれを参考にしていろんなところで教えるのに役立てようと

ちょっとこれは日本国民が全員1冊持ってもいいんじゃないかと思ってます」

 

 

林先生が大絶賛の中室さんが今、伝えたい最新の研究を続いて紹介しました

 

タイトルがまた凄くて「あなたがどの大学へいこうが収入には関係ない」というものでした


安定した収入のために少しでも偏差値の高い大学に行くことが昔から当然のように言われてきましたが、中室先生はどの大学に行っても収入は変わらないと断言したのです

一体どういうことなのかを中室さんは次のように解説します



中室さん「これは東大卒の林先生と他の方が東大以外の大学を出てた場合、当然東大卒の林先生のほうが収入が高いんではないか?というふうに考えると思うんですよね

ただ東大を出た林先生が例えば京都大学だったり慶應大学を出た時には(収入は)どうなるんだろう?ってことを考えないとならないわけです」

 

 

林先生が東大卒でも万が一東大を落ちて他大学を卒業したとしても収入に差はない、つまりどの大学を卒業していても収入には影響がないということだそうです

 


中室さん「重要なのは卒業した後にどうなるかということで、どの大学に行ったかは本人の能力が同じならそんなに大きな差はないという事なんだと思います」

 

 

そう中室先生が言い切る根拠は子を持つ何万もの家族をサンプルとしたデータの研究にありました

2500組の双子を調査。外見、能力、家庭環境などほとんど同じ2人が別々の大学に行き、その後の収入を比べた結果そこにほどんど差はなかったそうです

なぜ差はなかったのか?ポイントとなるのは今の大学入試にありました

 

 

 

大学入試はきちんと測定できているのか? 標準誤差とは?

 

 

中室さんは大学入試というものがどれくらい人の能力を正しく測れているのかに難しい問題があると言います

 


中室さん「テストには必ずその測定に当たっての標準誤差というものがございます

これどういうものかといいますと、例えば80点取っていないと合格できませんということがあったとします

ところが81点の人と79点の人がいるというふうにします。偶然合格した人と偶然残念ながら落ちてしまったという人がいる

 

こういうような状態のことを実は経済学でオン・ザ・バブルと言ってバブルの上にいるような状態を指したりするわけですけれども

ひょっとすると81点の人と79点の人は全く能力が同じ人だという可能性があるわけなんですね」

 

 

東大のようなハイレベルの大学にも標準誤差というのはあるのか?という質問には東大卒で多くの受験生を見てきた林先生が答えます

 


林先生「僕の経験で見て大体毎年、理系の場合は最高点と合格点の差は150~160点がありますよね

となると少なくとも30〜40点は誤差と見ていいだろうと思ってます

ですから合格最低点から40点50点を超えて受かるような生徒であれば、これは何回試験が多少変わろうが受かる

だけどそこまでの生徒はまさに(中室)先生がおっしゃるオン・ザ・バブル。

 

それなのに「俺は東大生だ!」と浮かれてもらっては困る

逆にいえばぎりぎりで落ちた生徒がそんなに東大にコンプレックスを持つ必要はないと」

 


ここで気にしている人が多い大学別の年収ランキングについての疑問が出演者から起こります

大学の偏差値が高いほど年収も高くなっていると思うのですがそのへんはどうなのか?中室先生は答えます

 

 

中室さん「はいこちらは大変よいご質問でしてこちらをではご覧をいただきたいと思います」

 

大学別年収ランキングをここでスタジオで出演者が見ます

 

1位 東京大学   729万円

2位 一橋大学   700万円

3位 京都大学   677万円

4位 慶應義塾大学 632万円

5位 東北大学   632万円

 

 

やはり東京大学が1番でした

「言ってることがおかしいじゃないですか!」と出演者から苦情がでるなか冷静に中室さんは次のように解説します

 


中室さん「ただこれは東京大学のどなたかと別の方が一橋大学あるいは京都大学を卒業された場合の差を見ているわけですね

ですからあなたが別の大学に行ったらどうなっていましたか?ということを表してるわけではないんです

これが相関関係なのか因果関係なのかという問題でございます」

 

 

 

相関関係と因果関係、これは前回の放送でも解説していたのですがほとんどの方は忘れてしまっていたようです

自分も忘れてしまいました(笑) 中室先生はもう一度、番組で相関関係と因果関係について解説してくれました

 


中室さん「これは例えば偏差値が高い大学へ行った人が収入が高くなというふうに多くの人は信じてる

なので偏差値が高いという事が収入が高くなるという結果をもたらいていたら因果関係です


こちら(偏差値)が原因でこちら(収入)が結果だからですね

 

ところが必ずしもこうではない可能性があって、もともと収入が高くなる潜在能力が高い人が偏差値が高い大学へ行っているだけという可能性があるわけです」

 

 

物事が同時に起こってはいるものの原因と結果が明らかではない場合を相関関係と言います

先ほどの大学別の年収ランキングは東大に入り良い教育を受けた結果、収入が高くなったという因果関係があるのではなく、あくまで収入が高くなるような潜在能力が高い人が東大に行っていたという相関関係にすぎない

つまり東大に入ったから収入が高くなったとはいえないというのです

 

この結果から浪人してまで東大に入る必要はないんではないか?という話題になります

すると林先生は浪人制度は廃止した方がよいと爆弾発言!その理由を熱く語ります

 

 

 

浪人制度は廃止するべき!林先生がそう考える理由

 

 


基本的には浪人制度は廃止した方がいいという林先生

データを使って次のように解説しました

 

 

林先生「1966年に高校3年生になった人が戦後のピークなんです

1学年何万人いたか?249万人いたんです。

そして2度目のピークが1992年に来ます。この時が205万人です

そして2015年。もう今120万人に減ってるんですね

 

1966年の大学の定員が当時19.5万人しかいなかった。これに対して志願者が53.3万人いたんです」

 

 

1966年に実際に入学した人数はおよそ29万人

1992年も受験者数が入学した人数を大きく上回ってました(入学者数54.2万人、受験者数92万人)

受験者数と入学者数の差を見て林先生は次のように語ります

 


林先生「だから浪人が出てもしょうがないんです

この時(1966年や1992年のたくさんの受験者がいて定員が少なかった時)に僕は浪人制度を廃止しろとは言いません。

じゃあ時は流れて今どうなっているかといいますと69.2万人これ入学しました

志願者が73.7万人ですからこの差が・・・もうだから浪人生3万8000~4万人ぐらい

 

ただこの内訳なんです。現役生は66.9万人なんです

つまり浪人制度がなければ収まるんです。だから逆にいうと浪人制度があるから、その浪人が次の浪人を押し出すシステムになっているんです

 


だから絶対に浪人生は許しませんよと、3年で出てもらいます

そこで受かった大学に行ってもらいますよっていうことでより真剣に勉強すれば、もうこういうふうに状況が変わっているから今は浪人制度がなくてもいいだろうと

ただまぁその1年・・・どこで浪人制度を止めるかって問題があるんで・・・

(全浪人生が我慢する年がでるという意見に)だからそこが難しいんですけど、でもこの数字を見るともう確かに浪人制度っていうのはなくてもいいだろうと」

 

 


ここでゲストから「もう少し楽に考えるとそんなに根を詰めて受験勉強しなくてもいい
っていうふうにこれからは思っていいんですかね?」という質問がありました

それには林先生も中室先生も違うときっぱりでした(笑)

 


中室先生「やはり個人の資質を高めるという観点から勉強することはとても大切なことだと思いますし、受験勉強を通じて例えば自己管理能力、忍耐力などを獲得することが出来るというのは大変重要なことではないかなというふうには思います」

 

 

収入に関する能力である自己管理能力や忍耐力は受験勉強で培われるそうで、研究で示されているのは受験でベストを尽くした後にどの大学へ行くかは収入には影響がないというものでした

ここでスタジオにいた現役東大生から林先生に質問がされます

それは浪人して東大に入ったけれども東大に入ることで優秀な学生に出合える事は意味がありますか?というものでした

そのことについて林先生がキレイごとゼロの本音をぶつけます

 

 

 



林先生「さっきの試験でオン・ザ・バブルが起きるのがまぁ大体下のこの辺りになるだろうとする(三角形の下の方)とここ(三角形の頂点の方)に凄いのがいるのは事実

このメンバーは日本で大学へ行くとしたらまず東大以外はいかない、この人たちを見て何かを得る確率が1番高いのは東大であろうというのは言えます

それを見て生かせる人と結局あいつはあいつ俺は俺で終わる人で。

そこも結局本人次第かなと、その東大だって僕言いたいんですよ

 

だってさっき数値書いたでしょ。(高校3年生の人口が)1992年に205万人いたんですよ、いま120万人ですよ

だったら定員も単純に計算して1800人でいいじゃないですか(現在の東大の定員は3000人)


20年以上東大受験生見てきた僕から言わせていただくと東大生の下の方はスッカスカですよ

かつての東大生とは全然クオリティーが違う

だからこれで東大受かった、俺は東大生だって顔で社会行ってもらいたくはないなと、

もっともっと自分で主体的に学んで頑張ってそして社会で生きていく力を見につけて頑張ってほしいなと思ってますよ」

 

 

以上です

林先生と中室牧子さんの綺麗ごと一切なしの教育論でした